雲南省旅行記
2日目 昆明から瀘沽湖へ
今日は空路麗江へ移動したあと専用車で200km先の瀘沽湖まで移動し、高原明珠と呼ばれている瀘沽湖の観光をする。
ホテルのレストランでブッフェ式の料理を食べ7時にホテルを出発、昆明空港に向かう。空はどんより曇っていて今にも雨が降りそうだ。これからの先の天気が気にかかる。道が空いていて10分もかからないうちに空港に到着、荷物検査を受けて搭乗口に行き1時間ほど待ってから中国東方航空のMU4417便に乗り込む。機内は満席で大多数が中国人だ。
MU4417便は定刻より早く8時22分に昆明空港を離陸、40分弱のフライトで麗江空港に到着した。空は真っ青で昆明の曇空が嘘のようだ。
機窓の眺め 麗江空港
ここで現地ガイドのスリーサース(次麗拉初)さんに迎えられる。スリーサースさんはモソ(摩梭)人の女性で、揚玉英という漢名ももっている。今日はわざわざ民族衣装を着てきて迎えてくれた。モソ人は瀘沽湖の周囲に住む少数民族で人口は約4万人、瀘沽湖の雲南省側に2/3、四川省側に1/3が住んでいる。モソとは牧畜をする人という意味で昔は青海省で放牧生活をしていたが今は半農半牧の生活をしている。なお、中国では国から認定された少数民族は族というが、認定されていない少数民族は人と言っている。
モソ人は女系制度で財産は女性が持ち、通い婚という独特の結婚形態を行っている。女は結婚しても家を出ず、男は毎晩実家から女の家に通い朝になると実家に帰る。今は半分くらいの人が通い婚をし、残りは普通の結婚をしている。民族衣装はチベット人に似た上着と白いロングスカートでウエストには幅の広い虹色のベルトを巻く。頭には羊毛の輪をつけ花で飾る。スカートの中ほどに赤い細い線が入っているが青海省から移動してきたことを表している。
スリーサースさん
9時20分空港を出発ドライバーの羅さんの運転で200km先の瀘沽湖に向かう。少し走ると道の両側には田んぼが広がり稲刈りの最中である。このあたりの海抜は2200mくらいあり、米は低地でしか作れないと思っていたのでびっくりした。雲南省は気候が温暖だということを実感する風景である。
水田
玉龍雪山の頂を前方に見ながら20分ほど走ると麗江に出たが、今日は素通りして先に進む。
玉龍雪山 麗江の通り
やがて道は山の中に入り高度がどんどん上がる。2500mほどの峠を越すと前方に川が見えてきた。長江の上流、金沙江だ。昔この川で砂金が採れ、そのため金沙江の名がついたという。このあとはどんどん坂を下る。
金沙江
しばらく走ると前方に橋が見えてきた。樹底橋といいこの橋の手前までが麗江地区、橋を渡ると迪慶地区になる。有名な観光地虎跳峡はこの橋の上流にある。茶店があったので15分ほど休憩する。乾燥マツタケが売られていた。値段を聞くと1kgで120元という。非常に安いが旅が始まったばかりなので買うのを先に延ばしたが、この後はどこにも売っていなかった。旅先では買えるときに買っておかなければだめだ。
樹底橋 樹底橋からの眺め
再び坂を上り高度を上げていく。1時間ほど走ると棚田が見えてきた。下の平田では大勢の人が稲刈りをしている。高度計を見ると2500mもある。おそらく世界で最も高い場所にある棚田であろう。
棚田(拡大) 稲刈り
12時45分高峰村に到着、昆明方向と瀘沽湖方向との分岐点の三叉路の近くにある山路水人家という食堂で昼食をとる。近くには叉河という真っ赤な水の川が流れていて、この近くで青い水の川と合流している。
山路水人家と叉河
食堂の近くにも田んぼがあり稲刈りをしていた。今が稲刈りのシーズンなのだ。
稲運び イ族の女性
食堂の前の通りを座布団のように大きな黒い帽子をかぶったイ(彝)族の女性が歩いていた。後ろが見えにくくて不便だと思うが傘代わりになるから使っているのだろう。
イ族の女性
ここから少し走ると寧ランに到着した。町の中央の交差点にはイ族のシンボル天馬に乗り弓を天に向けた騎士の像がある。
騎士像
騎士像の近くを散歩する。色鮮やかな民族衣装を着たイ族の女性のほか白族の小学生も見られた。普通の小学生はトレーナーを着ているがわざわざ民族衣装を着ているのは民族に誇りをもっているからであろう。
道端で休むイ族の女性 買い物をするイ族の女性 白族の小学生
13時25分に寧ランを出発、海抜が2400mもありもうじき11月だというのに暑くて半袖になりたいくらいだ。しばらく走ると広い田んぼのある村に出た。イ族の住む紅橋鎮だ。海抜は2500mくらいあるが、もうこの高さの田んぼでは驚かなくなった。
紅橋鎮の田んぼ
1時間半ほど走ると料金徴収所に出た。ここから先が瀘沽湖風景区だ。この先の道は石畳になる。道の両側には松の木が多く、黄葉している木も見られるが、まだ高山植物が花を咲かせている。3250mほどの峠を越えるとコバルトブルーの湖が見えてきた。目指す瀘沽湖だ。瀘沽湖は海抜2685m、平均水深40m、最も深いところは73mの淡水湖である。さらに10分走ると展望台があり下車して5分ほど歩いて瀘沽湖の写真を撮る。かっては秘境と言われた瀘沽湖も道が良くなったため観光客が押しかけるようになり展望台も大勢の中国人で賑わっている。
展望台からさらに10分少々走ると瀘沽湖湖畔の船着場に到着した。ここからモソ人の漕ぐ猪槽船に乗って2.6km先の里務比(りうび)島に向かう。観光客が乗る猪槽船は一度に10人も乗せ2人の漕ぎ手と1人の舵とりで操っているが、本来の猪槽船は小さな丸木舟で、使わないときは豚の餌を入れていたことからこの名がついた。ちなみに中国では猪とは豚のことである。毎年旧暦の5月10日にペーロン競争をする。
猪槽船 里務比寺
30分ほどで里務比島に到着し島の頂上近くにある里務比寺に登る。この寺は800年前に造られたが文革で破壊され1961年に再建された。本堂には黄帽派の祖ツォンカパと千手観音が祀られている。
里務比寺山門 里務比寺本堂
30分ほどして舟に戻り陸に向かう。漕いでいる女性は細い体だが1日に3往復し1日に200元から300元の収入になるという。1日おきに仕事をするが1元が100円以上の価値がるこの地ではかなりの収入になる。
17時50分今日の宿摩梭大酒店に到着した。この宿は落水村のはずれにあるホテルで水洗式のトイレや風呂がついている。暖房設備はないがベッドに電気毛布がついている。
摩梭大酒店 客室
部屋に荷物を置いたとホテルの周りを散歩する。湖の対岸にはモソ人が神山と崇めている獅子山が聳えている。湖面に白いものがたくさん浮いている。初めはゴミかと思ったが水草の花だった。水際にモーターボートが1台置いてあった。瀘沽湖では水質悪化を防ぐためエンジン付きの船は禁止されているのでおかしいと思ったら緊急用の船で普段はまったく使っていない。
獅子山 水草の花
夕食に豚肉のスライスが出た。この豚肉は豚の内臓と骨をとり塩と胡椒、酒を詰めて5年から20年も保存したもので大事な客をもてなすときに出される特別の料理である。豚の脂身はいつもは食べずに捨てているが、試しに食べてみると塩味がきいていてなかなか美味しかった。
豚肉
ホテルのレストランで夕食をとった後、モソ人の踊り(摩梭篝火晩会)を見に行く。19時30分に始まるということであったが会場の摩梭民俗博物館に到着したときにはすでに踊りが始まり大勢の人が周りを取り囲んでいた。踊りは軽快な笛の音に合わせて男と女が焚き火の周りを回るもので、男も女も背が高く民族衣装が似合ってなかなか格好よい。 毎日労働力を1人出す。舟か馬を引く。舟をこぐバンのときは夜踊りをする。収入は全員で分配する。
摩梭篝火晩会
踊りの合間に美少女が観光客につかまっていた。観光客に両側に並ばれて写真を撮らされ、終わると次ぎの観光客がさっと横に並ぶのでいつまでたっても逃げられず可哀想であった。