東トルコ旅行記
9日目(5月26日) ドゥバヤズィットからカルスへ
日の出を見ようと早起きしてホテルの前に出る。東の空が赤味を帯びている。今日も良い天気だ。5時少し過ぎに日が上がったが残念ながら空気が霞んでいて山はあまり赤くならなかった。
小アララト山 大アララト山
大アララト山の前の野原に羊の群がいたので近寄って写真を撮る。写真を撮っていると3人の羊飼いが近寄ってきた。自分たちの写真を撮れというので撮ってやったらチップをくれと言ってきた。ホテルから500m以上離れた野原の中で他にだれもいないので怖くなって1人に1ドルずつ渡したらそのときは喜んでいたが、しばらくすると1人の羊飼いがまた金をよこせといってきた。きりがないので相手にしなかったら諦めてたち去っていった。
朝の大アララト山(拡大)
8時30分出発、カルスに向かう。右手には雪を被ったエフルズ山系の高山が見える。
エフルズ山系の山とテント
1時間ほど走りウードルの町でトイレ休憩をとる。ウードルは標高860m、気候が温暖で野菜や果物がよくでき失業率の低い豊かな町である。アルメニアとの国境に近くアゼルバイジャン系の人が多い。
野菜畑とアララト山
ウードルの町を発って1時間半ほど走ると草原に花がたくさん咲いていたのでバスを停めて写真を撮る。背後にはエフロス山系の高山が雪を輝かせている。
エフルズ山系の高山とお花畑(拡大)
11時50分カルスに到着した。3ヶ月前に洪水があったため、道路は凸凹だ。今晩泊まるシムエール・ホテルに行き昼食をとる。
シムエール・ホテル
食後カルス博物館を訪れる。庭には羊の彫刻がたくさん並んでいる。
カルス博物館 羊の彫刻
館内には恐竜の骨、BC5000年から3000年の陶器、アニ遺跡出土の木の扉、ヨ-グルトを作る陶器の容器、銀のベルト、キリム、オスマントルコ時代の民族衣装などが展示されていた。
ヨーグルトを作る陶器 アニ遺跡出土の扉 銀のベルト
次いでアニ遺跡を訪れる。アニ遺跡は東西の交易の要衝にあり古来から人が住みついていた。ペルシャの女神アナハイドを祀っていたが、アナハイドがなまってアニとなった。8世紀の中頃バグラディッド王国に支配され966年には首都になり、992年にアルメニア教会の主教座が移され千と一の教会の街と呼ばれた。11世紀半ばにセルジュク朝に支配され、13世紀にはモンゴルの襲来があり、16世紀にはオスマン朝、19世紀にはロシアの支配を受け、さらに度重なる地震によって廃墟になった。
遺跡の入口には城壁があり、左手に門があった。AD972年にアショット1世によって造られた門で、ライオンのレリーフのあるのでライオン門と言われている。
ライオン門
門をくぐると目の前に広い草原が広がっていて、その中に点々と古い石造りの建物がある。まずパルキンチ教会を訪れる。この教会は1034年に造られたが地震と落雷で半分失われた。内部の壁には聖人の像のフレスコ画が残っている。
パルキンチ教会跡
奥へ進んでいくと立派なハマームの跡があった。
ハマーム跡
さらに奥に進むと谷川に出た。アルメニアとの国境にあるアルパチャイ川である。対岸には石切り場が見える。アルメニアはアルメニア教会の主教座があったアニ遺跡を領土にしたかったがトルコに受け入れられなかったので同じ地質の石を切り出して教会を造っているのである。
アルパチャイ川
アルパチャイ川の崖の上に教会があった。ホネンツ教会あるいはグレゴリオ教会で1215年に建設された。内部には聖人を描いたフレスコ画がたくさん残っているが、惜しいことに顔が削られている。
ホネンツ教会 ドームのフレスコ画 壁のフレスコ画
次に大聖堂を訪れる。この建物は10世紀にシンバット2世の時代に建設が始まり11世紀のガギグ1世の時代に完成したゴチック様式の建物である。セルジュク時代にはモスクになりフェティエ(征服)モスクと呼ばれた。
大聖堂 ドーム跡 祭壇跡
壁の一部が壊れている。表面は磨いた平らな石になっているが内部は小さな石を積み重ねてある。始めに小さい石で骨組みを造りその上に大きな石を貼り付けたのだ。
壁の構造
大聖堂を出て少し歩くと8角形の塔が転がっていた。中を見ると螺旋階段の跡がある。ミナレットが地震で倒れたのだ。
倒れたミナレット
さらに進むと2つの建物の跡があった。エブル・マムメラン・モスクで11世紀前半に教会として建てられ、セルジューク時代にモスクになり、その後キャラバンサライになった。
エブル・マムメラン・モスク 内部
このあと自由時間になったので、まだ見ていない2つの教会を見にいった。ポラトグルー教会は994年にパブラビリの王アブラミルによって建てられた教会で保存状態は比較的良い画中にはなにも残っていない。。ガギク教会はアニの王ガギグのよって建てられた教会で、中には倒れた石柱がたくさん転がっていた。
ポラトグルー教会 ガギグ教会
2時間半ほど観光して16時50分アニ遺跡を発ち、17時35分シムエール・ホテルに到着した。夕食はブッフェ式だったが添乗員の峯島さんがソーメンを作ってくれたので久しぶりに日本の味を楽しむことができた。