シルクロード旅行記

2日目 天池観光後ウルムチ(烏魯木斉)からカシュガル(喀什)へ 

 朝食は24階の展望レストランでとる。今度こそ食べ過ぎないようにしようと思っていたのだが、おいしそうな料理や見慣れない料理がたくさん並んでいたので朝から2皿も食べてしまった。遠くには雪を抱いた高い山が見えるがあいにく逆光で写真を撮れない。


展望レストラン内部

 7時30分にホテルを出発、120km先の天池を目指して北に進む(今回の旅行では北京時間で通したが、新疆時間の方が実際の時間に近いのでこの旅行記では新疆ウイグル自治区内で新疆時間で表すことにする)。右手には天山山脈の山々の白い頂が見える。

 トイレを借りるため高速道路の手前のレストランでバスを停める。近くにハミ瓜の売店がたくさん並んでいたのでガイドの黄さんが1つ買って皆で食べる。甘いメロンのような味で、日陰に置いてあったので冷たく大変おいしかった。値段は6kgのハミ瓜が35元(700円)で、今は時期が遅いので高いというが味を考えると大変安い。

 
ハミ売りの売店           切ったハミ瓜

 このあと山間の道になり高度をどんどん上げていく。道端には小川が流れ、草むらでは羊の群が草を食べている。川の水は天山山脈の雪解け水で雄水と言われ男が飲むと体が丈夫になるという。やがて道端に白いテントがたくさん見られるようになった。放牧をしているカザフ族のパオで、観光シーズンには観光客相手の宿泊施設にして金を稼いでいる。素泊まりで1泊200元(2800円)というからこの地の物価を考えると良い商売だ。

 ゲートのある駐車場でトイレ休憩をした後さらに上にある駐車場に向かう。周囲にはヒマラヤ杉の原生林が広がり、澄み切った青空に杉の葉の緑が映えて素晴らしい眺めだ。


ゲート

 駐車場でマイクロバスに乗り換えて5分少々坂道を登った後、今度は電気自動車に乗って5分ほどで天池の前に到着した。天池というから秘境の神秘的な湖だろうと想像していたが、大変な人出でまるで休日の芦ノ湖のようだ。ただ、透き通った青い水色は素晴らしく、芦ノ湖では決して見られない色だ。奥の方には万年雪を抱いたボゴダ峰(海抜5445m)がそびえている。

 
観光客で一杯の湖畔           天池とボゴダ峰(拡大)

 40分ほど観光した後来た道を引き返す。途中カザフ族のテントを訪れると中でおばあさんが毛糸を紡いでいた。パオや衣服の布地は皆自分で作るのだ。パオは短時間で分解して移動できるよう骨材の木を丸い枠に差し込み、その上に厚い羊毛の布をかぶせる構造になっている。

  
カザフ族のパオ             おばあさん           パオの屋根

 羊の群がしばしば道路を塞ぐ。カザフ族が羊を飼っているのだ。彼らは寒くなる前に暖かい地方へ移動していく。


羊の群

 14時33分環球大衆店に戻り昼食をとる。回転台に乗り切れないほど料理が出て、おいしかったが半分以上残ってしまった。給仕の女性がウイグル族の民族衣装を着ていたので写真を撮らせて欲しいと身振りで伝えるとわざわざロビーまで出てくれた。漢族の女性と違い少数民族の女性は親切だ。

  
昼食                   ウイグル族の民族衣装

 食後バザールの見物に行く。果物が特産だけにハミ瓜や西瓜、ザクロなどたくさんの果物が並んでいる。ほおずきも売られていたが食用にするという。ドライフルーツの売り場には干しブドウやアーモンド、胡桃などが並んでいる。種無しの甘い干しブドウが500gで10元(140円)、アーモンドが300gで10元というので安いと思って買ってしまい後で荷物が重くなって困った。

 
果物売り場            ドライフルーツ売り場

 近くでナンを焼いていた。ウイグル族の人たちは以前は自分の家で1週間分のナンを焼いていたが、最近は焼きたてのナンを食べるため、店で買うようになってきた。

 
ナン屋さん               ナン

 次いで新疆ウイグル自治区博物館を訪れる。門をくぐると新しい大きな建物があったが完成間際に工事が中断され、足場やネットなどがついたままになっている。奥に進むとこじんまりとした古い博物館の建物があった。日本人の観光客が多いのか、館員の馬さんが日本語で説明してくれた。 


新疆ウイグル自治区博物館

 この博物館には12体のミイラが展示されていて、なかでも1980年に発掘された「ロブノールの美女」と呼ばれる女性のミイラが有名である。このミイラは4000年前のもので死んだときの年齢は38歳〜45歳、身長は152cmで生前は158cmあった。金髪のヨーロッパ人の女性で髪に鷹の羽を挿し、皮の靴を履いている。顔は黒くなっているが発掘時には白かったという。自然にできたミイラなので内臓も入っている。

 隣にはローラン故城から発掘された3800年前の4,5歳のヨーロッパ人の子供のミイラが置かれている。体は編物で包まれている。

 その隣にはハミ出土の3200年前のヨーロッパ人の20歳の女性のミイラが置かれている。辮髪をしていて、難産で死んだと考えられている。屈葬になっていて、毛織りのズボンをはき、毛布には模様が入っている。

 その隣にはイン磐故城出土の2000年前のミイラが展示されている。顔に面がかぶされていて額に金の薄板がつけてある。肘には身分を表す印のついた布が巻かれている。ヨーロッパの男で身長は180cmある。位が高く金持ちの男と考えられている。

 3000年前の8ヶ月の赤ちゃんのミイラも展示されている。体は毛織物で包まれ、そばに角で作った哺乳器が置いてある。

 合葬されていた55歳の女のミイラと45歳の男のミイラも展示されている。女は東洋人とヨーロッパ人種の混血で鼻の脇に刺青がある。男はヨーロッパ系で色が白く髪の毛や髭が残っている。

 トルファンのスバシ故城から発掘された2500年前のミイラは全身に皮を纏っている。皮を細い糸で細かく縫ってあるのが注目される。

 同じスバシ故城から発掘された女のミイラは帽子をかぶり2本の房をつけている。房の数は夫の数を表していて当時は夫が多いほどステータスが高かったという。

 武将の張雄(583〜633)のミイラも展示されている。胸がぶ厚く、膝が曲がっている。膝が曲がっているのは長年馬に乗っていたからだという。張雄の妻のミイラも並んでいる。髪の毛をちょんまげ風に結っている。

 トルファンのアスタナ故城のヨーロッパ系の男女のミイラもあった。男は37歳、女は77歳で合葬されていた。副葬品の土人形は色が鮮やかで、食べ物を作る様子などがかたどられている。

 1000年前のウイグル族の女性のミイラは苦しそうな顔をしている。棺桶があり玄武などが描かれている。

 展示物の説明の後、別室で博物館の収集品を特別に放出するといって絨毯や骨董品の説明があった。中国の博物館では同じようなことをして商売することが多いので席を立って再度展示物を眺める。写真を撮れないのが残念だったが、ミイラの写真など撮っても気持ち悪くて見る気がしないだろう。

 博物館の前に1988年に発見された2.2トンの玉石と19世紀末に発見された鉄隕石が置いてあった。ちょっと見るとただの石だがいずれも値をつけられないような高額なものであろう。


         玉石(左)と隕石

 18時5分博物館を出発、カシュガル行きの飛行機が1時間遅れるというので途中のスーパーによって時間をつぶす。最近の中国はどこにいっても品物が豊富だ。日本で売られているものの多くは中国製だから、そういう商品は中国で買ったほうがも安いが、持ち帰るのが大変なので諦めるしかない。

 スーパーの上は集合住宅になっていて、一等地にあるので1平方メートル3,000元(42,000円)し金持ちしか買えないという。日本の物価で考えると高くはないが、収入が日本の10分の1もないこの地では庶民には手が出ないのである。 


スーパーと住宅

 空港の近くにある航空酒店のレストランで夕食をとる。地の利が良いためであろうか、料理の味も量もこれまでのレストランと比べるとかなり劣っていた。ただビールは5元(70円)と良心的な値段だった。


航空酒店レストラン

 20時45分レストランを出発、3分でウルムチ空港に到着した。ここでドライバーの雷さんと別れる。雷さんのバスにはカシュガルで乗るので、雷さんはこれからすぐカシュガルに向かって出発するのだ。


 ウルムチ空港ターミナル

 カシュガル行き中国南方航空CZ9903便はさらに30分遅れ21時10分ようやく離陸した。5分ほどしておつまみと飲み物が運ばれたが眠いのでジュースだけ飲んでおつまみはポケットにしまいこむ。新疆時間で21時といっても北京時間で行動しているので体内時計は23時になっているのだ。

 1時間40分のフライトで22時50分カシュガル空港に着陸、現地ガイドのアブドゥさんに迎えられて 23時15分空港を出発、10分ほどでチニワク賓館に到着した。眠いのでスーツケースを受け取るとシャワーも浴びずすぐベッドにもぐりこんだ。

 
中国南方航空機          カシュガル空港ターミナル


チニワク賓館

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