南アフリカ旅行記

13日目 ロベン島・テーブルマウンテン観光

 朝食前にホテルの周りを散歩する。ホテルの前はメインストリートになっていて、中央の緑地帯には喜望峰の発見者バーソロミュー・ディアスやケープタウンの創設者ヤン・ファン・リーベックとその夫人マリア・デ・ラ・クエイレーリエの銅像が立っている。夫人の象が立っているということはその夫人も大きな功績が合ったのだろう。
 銅像の写真を撮っていると一人の身なりの良くない大男が近寄ってきてわかりきっていることをしつこく説明する。離れてくれと思って場所を変えてもついてくる。金が欲しいのだなと思っていたら案の定腹が減っていると言って手を出してきた。昨日辻音楽師が1ランドやったら喜んでいたので1ランド渡したら開放してくれた。歩いてきたインド人がここは安全ではないから用心しろと注意されたのですぐホテルに引き上げた。


メインストリートの噴水
  
ディアス                リーベック              クエイレーリエ    

 食後ウォーターフロントから高速船に乗ってロベン島に行く。ロベン島はアパルトヘイト時代に黒人やカラードの政治犯を収容した刑務所があった島である。刑務所は今は記念碑として公開されていて島全体が世界遺産に登録されている。

 
高速船           ウォーターフロント

 島に上陸すると最初にロベン島に上陸する囚人の写真が見せられた。全員足かせをしていて裸足で歩かされている。ここには主に内政治犯(人種差別に対する抵抗運動家)が収容され、元大統領ネルソン・マンデラも20年間収容されていた。
 次いで18年間収容されていたという黒人から刑務所の内部を案内された。建物は分厚い壁で造られ、窓には3cmもある太い鉄棒の縦格子がついている。囚人たちはここに来たら生きて帰れると思うなと言われたという。

 
ロベン島に上陸する囚人の写真(部分)         刑務所の見張り塔

 リーダー格の囚人はBセクションといわれる1画の独房に収容されていた。Bセクションの中には3畳くらいの広さの独房が並んでいるが、元大統領ネルソン・マンデラが収容されていた独房は2畳くらいの広さしかなく、中には1枚の毛布ととトイレ用のバケツがあるだけである。


Bセクションの独房群
       
収容中のマンデラの写真       マンデラの独房

 一般の囚人は雑居房には収容されていた。雑居房の中で政治的な話は禁止され、話は壁にあるスピーカーで盗聴されていた。そこで話をするときはスピーカーに蓋をしたが、看守が見回りに来るとわかるような仕掛けを作っておいて近づいたら蓋を外したので最後まで見つからなかったという。黒人とカラードやインド人との間にも差別があり、黒人は食べ物が少なく、ズボンも半ズボンだったので1週間ハンストを続けて差別を止めさせたという。雑居房には文字が読めない囚人が多かったが、独房の囚人から習って出所してから大学に入学した人もいるという。


雑居房

 刑務所の見学が終わった後は、やはり囚人だった黒人に案内されてバスで島内をまわる。マンデラたちが重労働をさせられた広場に案内された。囚人はこの広場に座り朝から晩まで石を刻ませられた。石からは粉が出るので肺を悪くする囚人が出たという。石を削る作業は何の役にも立たず削った石は捨てられたという。このように何の役にも立たない作業をさせて精神的にも肉体的にも苦しめていたのだという。


作業場

 島の中にはハンセン氏病の患者も収容され、亡くなった患者の墓が並んでいる。


ハンセン病患者の墓

 ウォーターフロントに戻り、グリークフィッシャーマンというレストランで昼食をとる。メインディッシュはイカと白身の魚だったが、焼きたてのパンがおいしかった。

 
パン              メインディッシュ

 食後外に出ると先ほどまで雲の中にあったテーブルマウンテンの上部が姿を現している。ロープウエイが動いているというので駅に向かう。


テーブルマウンテン(拡大)

 ロープウエイの駅はテーブルマウンテンを300mほど登ったところにありここからのケープタウンの眺めも素晴らしい。

 
ロープウエイ駅       山頂駅(拡大)

  駅からは円筒形のゴンドラに乗って5分足らずで山頂に到着する。ゴンドラは回転式で同じ位置に立っていても360度の景色を楽しむことができる。山頂駅に近づくと垂直に切り立った岸壁が目の前に立ちふさがりかなりの迫力だ。

 
ゴンドラ(拡大)          山頂近くの絶壁(拡大) 

 山頂からの眺めは素晴らしくケープタウン市街はもとより、ライオンズヘッドや沖合いのロベン島も手にとるように見える。

 
ケープタウン市街(拡大)        ライオンズヘッドとロベン島(拡大)

 山頂は下から見ると平坦だが、大きな岩がごろごろしていて遊歩道以外は歩けない。岩の間には潅木が生えていて、ワイルドフラワーも咲いている。

 
テーブルマウンテン山頂の景色(拡大)            ワイルドフラワー 

 遊歩道にしたがって歩いていくと崖に出た。下からテーブルマウンテンを眺めると右のほうに割れ目があるがその崖だ。ここの割れ目を通って下に下りる道がついているが時間がないので引き返す。


割れ目の崖(拡大)

 駅の近くの高台にはテーブルマウンテンの立体地図があった。今歩いてきたところを地図で確かめるとごくわずかな部分しか歩いていないのでがっかりした。立体地図の周りには世界各国の方向と距離の表示板があり、東京までは14733kmと表示してあった。表示板を見ているとヨーロッパ人の若者がやってきた。下から登ってきたのだというので、どれくらいかかったかと中野さんが聞くと1時間半で来たというので驚いた。

 
テーブルマウンテンの模型          東京の方向・距離表示

 駅の近くの茂みに大きなネズミのような動物がいた。人間に慣れていて近づいても逃げない。


ネズミのような動物

 下に降りてからバスの出発まで15分ほどあったので登山道を5分ほど登って引き返す。細い道の両側にはプロテア、エリカほか名の知らないワイルドフラワーがたくさん咲いていて、たった10分でもハイキングの気分を十分味わえた。

 
登山道に咲いていた花

 夕食はアフリカンカフェーというレストランでアフリカ料理を食べる。ウエイトレスがコーザ族の民族衣装を身に着けて、アフリカ各地の15種の料理を運んでくる。途中で従業員全員が歌を歌いながら入ってきた。大きな声で手を叩きながら歌う。食事が終わり引き上げるときも歌で見送ってくれた。彼らは歌がうまい。

 
ウエイトレス      歌で見送る従業員

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