中国旅行記(貴州、広西チワン族自治州)

4日目 民族博物館見学後、蘆笙会観光

 7時半からホテルの周辺を散歩する。このあたりは夜明けが遅く、ようやく辺りが薄明るくなり青空食堂が朝食の準備を始めたばかりである。ホテルを出るとき雨がぽつりぽつりと降ってきたがこれなら帰りまでもつだろうと思って先に進む。しかし15分もすると本降りになり、急いで戻ったがびしょぬれになってしまった。ビデオカメラが濡れてしまったので故障しないかと心配したが幸い大丈夫であった。

 9時ホテルを出発、まず近くにある民族博物館を見学する。ここには少数民族の分布、民族衣装と装身具、生活用具、民家などが展示されている。今日から現地ガイドは熊さん。ミャオ族の男性で独学で日本語を覚えたという。ミャオ族のガイドだけにミャオ族のことは何でも教えてくれる。早速博物館の案内をしてもらう。 

 
民族博物館                銀飾り

 姉妹飯が展示してあった。姉妹飯は旧暦の3月15日に行われるミャオ族の祭りで、若い男女が結婚相手を見つけるために行われる。このとき女性は男性に花の汁で染めたもち米を布に包んで渡す。中に箸が一緒に包んであれば結婚したいという意思表示であり、唐辛子が包んであれば嫌という意味である。また、木の葉が包んであれば絹が欲しいという意味で、松葉が包んであれば刺繍の針がほしいという意味であるという。なかなか趣きのある祭りである。熊さんにもらったことがあるかと訪ねたら、嘘か本当か「全部もらった」と答えた。ミャオ族には年間130回の祭りがあり、男女の出会いのための祭り、共通の先祖を祀る祭り、収穫のための祭りに分かれている。若い人は結婚相手を自分で探すので、出会いの祭りが必要なのである。

 竜船の舳も置いてあった。漢族の竜船祭りは端午の節句に行われるが、ミャオ族の竜船祭りは旧暦の5月25日に雨乞いのために行われる。1艘に32人の漕ぎ手が乗り4艘から40艘で競争する。ミャオ族らしく舳の竜の頭には水牛の角がついている。首の部分には貢ぎ物のアヒルや鶏などがぶら下げられている。

 
姉妹飯             竜船のへさき

 博物館を見ているうちに雨が止んだので、自由市場に行く。ここでは周辺の農家が作物を運んできて醤油や胡椒を買って買えるのだという。犬の肉や豆腐も置いてあった。肉まんが5角(7円)で売られていたので食べてみたがなかなかおいしかった。食べているうちにまた雨が降ってきたのでホテルに戻り昼食をとる。このあたりは交通が不便なせいか肉類は燻製が多い。ジャガイモの千切りを炒めた料理が、ぱりぱりしておいしかった。

 
市場                  豆腐

 食後、時間があったのでホテルの売店を眺める。ミャオ族やトン族の刺繍や民族衣装が置いてあった。なかなか手の込んだもので欲しくなったが、以前中国の売店で非常に高い買物をしてしまったことがあるので用心した。しかし、ガイドの熊さんが「高くないです。ほかでは手に入りません」などと言うので、後で買えなくて後悔するかもしれないと思って3点で2000元あまり(30000円)の買い物をしてしまい後で悔むことになった。


トン族の刺繍

 14時、今回のツアーの目玉である蘆笙会を見物するため舟渓鎮に向かって出発した。蘆笙会もミャオ族の男女の出会いのための祭りで、男性は蘆笙を吹き、女性は晴れ着を着て踊り、互いに相手を選ぶのである。男性は女性の姿のほか、衣装、銀飾りを見て判断する。女性の衣装はすべて手作りなのでこれを見れば手先の器用さがわかり、銀飾りを見れば家の財産がわかるのである。
 会場は石のごろごろした河原であった。午前中雨が降っていたためか、我々が到着したときは踊りは行われておらず、小さな子供に親が衣装を着せているところであった。
 

 
晴れ着を着つける親と少女

 大勢の人が踊りの会場の奥にある闘牛場に向かって歩いていくので、それに従った。まだ闘牛は始まっていなかったが大変な人出で、山の上や木の上まで人でいっぱいである。4時まで待ってようやく闘牛が始まった。いやいやながら人の輪の中に連れて行かれた水牛が相手の姿を認めるやいなや突進していって頭を激突させ相手の首をねじ伏せようとしているところまでは見えたが、後は前の人に隠れて見えなくなってしまった。やがて勝負がついて大勢の人が駆け寄って牛を離したが、勝った牛が引き上げてくるところを見たら腹から腰にかけて角に突かれてできた深い擦り傷がたくさんついていた。厳しい戦いである。


出番を待つ水牛

 もっと闘牛を見ていたかったが、17時までにバスに戻らなければならないので踊りの会場に戻る。ようやく若い人たちも集まってきて、あちこちに踊りの輪ができていた。踊りと言ってもゆっくりした蘆笙のリズムに合わせて右足を前に出して左足を揃え、次に左足を前に出して右足を揃えて歩きときどき緩やかに回転するという単調なもので「私を良く見てください」といった感じの踊りであった。歩くたびに銀の飾りに鈴がついているのでしゃらしゃらと音を立てる。若い頃を思い出したいのだろうか年配の女性の輪もあり、見事な衣装で踊っていた。会場がようやく盛り上がってきたのだが集合時間が迫ってきたのでやむなく引き返す。あと30分は見ていたかった。


踊る娘さん

たくさんの踊りの輪(拡大)

 夕食は快活林というミャオ族の民族料理店でとった。赤いすっぱいスープと魚の入った鍋料理で、なかなかおいしかった。食事が終りに近づいた頃、ミャオ族の娘さんが水牛の角に入れたお酒を持って、歌を歌いながら回ってきた。手を使わずに飲むのが礼儀だそうだ。アルコールに弱い私は困ったが、ビデオを撮っていたら飲まずに済むことができた。夕食後マッサージを頼んだら清潔な服装のミャオ族の女性が部屋に来た。ミャオ族式のマッサージかと期待したが中国式のマッサージだった。1時間で100元であったが、上手だったので10元のチップを出したら大変喜んでいたから、100元の代金はかなり天引きされているようだ。

 
ミャオ族の鍋料理          角の杯で酒を勧める娘さん

5日目へ           トップページへ