シルクロード旅行記

 13日目 固原から天水へ

 朝食前にホテルの前の通りを歩いていくと突き当たりに師範学校があり校門から「イー、アール、サン、スー」と掛け声をかけながら学生達が後から後から走り出してきた。固原はそれほど大きな町でないのに教師の卵が大勢いることは中国が教育に力を入れているの現れだろう。


師範学校の学生

 8時ホテルを出発、一昨日来た道を引き返し六盤山に向かう。六盤山は長さ200kmの山脈で、最高地点は3000m、黄河の支流渭水とケイ水の分水嶺である。渭水の水は土砂が多くて濁っており、ケイ水の水は土砂が少なくて澄んでいるので2つの河が合流すると河の半分が汚く半分がきれいな状態でいつまでも流れているという。

 途中鉄道の高架線の下を何度もくぐるがいつまでも同じ方向に進んでいく。道端では畑に木を植える農家の人たちの姿が次々と見え、植林に出かける小学生の行列も見える。。

 
高架線          農家の人たち

 1時間10分ほどで長征記念碑に到着した。記念碑には国民党の軍に追われて逃げる解放軍が六盤山を越えるときに毛沢東が書いた詩が刻まれている。碑には「天高く雲淡く南へ飛んでいく雁が見えなくなる。長城に至らずにいい男になることができるか。指折り数えると既に2万里歩いてきた。上を見ると六盤山の高峰があり,下を見れば西風にたなびく紅い旗がある。今日は長櫻を握りいつかは蒼龍(蒋介石)を捕らえようか」と刻まれている。 


長征記念碑

 記念碑は訪れる人も少ない静かな村の中にあり、刈り取った葦が塚のような形に積み上げられていた。

 
村の風景

 この後六盤山に登る。高度が上がり山肌にはうっすらと雪が残っている。

 
山道からの眺め(拡大)           薄雪の残る山肌

 30分ほどして六盤山の峠に着いた。高度計は2585mを示している。峠の近くの50mほどの丘にも長征記念碑がある。こちらの碑の方が毛沢東の筆跡をよく読める。毛沢東は書の達人でガイドの李さんはこの書は素晴らしいと言っていた。「時」の字が略字になっているが、漢字の簡体字への移行は毛沢東が強く推し進めたのだろう。

 
六盤山の峠からの眺め(拡大)          六盤山の長征記念碑


毛沢東の書

 30分ほどして10時25分に峠を出発、途中には畑に木を植える人たちの姿が次々続く。25分ほどすると隆徳県という町に出た。路上には露店が出て大勢の人で賑わっていた。

 
隆徳県の街               露店

 11時15分寧夏回族自治州と甘粛省の境界でバスを停める。段々畑が実に美しい。畑の端に深い亀裂があった。深さは10m近い。一端が閉じているので川が流れているわけではない。黄土高原の表土の流出が深刻な問題になっているが、ここも雨に浸食されたのだろうか。

 
段々畑(拡大)                 畑の亀裂

 甘粛省に入ると道が悪くなりバスのスピードがぐっと落ちたが、12時半過ぎに庄浪県という町に到着した。今日も予約なしの飛び込みで西夏酒楼というレストランに入り昼食をとる。このあたりは交通量が少ないので大通りの中に露店が出て堂々と営業している。

 
西夏酒楼              街頭本屋

 レストランの前の家では見てくださいとばかり軒先に菊を並べている。道端では老人がトランプのようなカードゲームに熱中している。中国では定年退職者はゲームするか小鳥を飼うか植木を世話することぐらいしかしない。時間があるのだからスポーツをすればよいのにもったいないことだ。

  
菊                ゲームを楽しむ老人

 昼食後自由時間があったので近くにある紫荊山公園へ行った。この公園には山の斜面に沿ってたくさんのお堂があり、文化大革命のとき破壊されたが最近復元されたものである。階段を登って門をくぐると太鼓橋がありその先に第2の門があった。

 
紫荊山公園入り口        第2の門

 第2の門をくぐると階段に沿ってお堂が次々建っていて中を覗くと髭を生やした道教の神が祀られていた。途中に展望台があったので市街を眺める。まだビルは少ないが、最近の中国は町の発展が早いから数年すればすっかりビルに埋め尽くされてしまうだろう。

 
道教の神の像          展望台からの眺め

 さらに登っていくと60度くらいの急な階段があった。手すりがないので下るときは怖いが思い切って先に進む。


急な階段 

 いくつかのお堂を通り過ぎて、ようやく山の頂上に着いた。ここにもお堂があり中を覗くと紅い布で覆われた仏像があった。ここは仏教と道教が融合しているようだ。

 
頂上のお堂              仏像

 14時15分庄浪県を出発、しばらく走るとたくさんの白い紐状のものを干した家が並んでいた。春雨を干しているのだ。この地方は特産のジャガイモを使って春雨を作っていておいしくて安いので蘭州で好評だという。

 
春雨作り             ジャガイモ集積所

 14時55分天水地区の町に入る。 この町にもたくさんの露店が店を広げている。地方の都市では露店の方が人気があるようだ。 

 
市場

 町を通り過ぎると山の中に入りどんどん坂を登る。


山道からの眺め

 段々畑がいつまでも続く。この地方は降水量が多いのか畑には小麦の苗が顔を出している。


段々畑(拡大)

 16時25分泰安県の町に到着、15分ほど走ると長いトラックの行列ができていた。見ると前方の橋で架け替え工事をしている。橋の脇に仮設の橋ができているが道幅が狭く片側一方通行でその上路面が悪いためなかなか前に進まない。

 
橋の架け替え工事         仮設道路

 35分ほどしてようやく橋を越えるとすぐ有料道路に入った。以前は中国の道路はすべて無料だったが、最近は有料道路が増えている。高速道路なのに人が歩いていたり自転車が走ったりしている。40分ほどして18時2分天水の陽光飯店に到着した。陽光飯店は4星ホテルだが客室が60しかないコンパクトなホテルである。町の中心にあり周囲は歩行者天国で、近くには人民広場や市場があったりして出歩くことの好きな私には絶好のホテルである。


陽光飯店

 夕食後早速ホテルの周りを散歩する。市場はまだ開いていて鍋物が湯気を出している。ホテルの料理よりもこちらの方がおいしそうだ。

 
夜市の食堂

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