インドヒマラヤ旅行記

5日目 カルパからタボへ

 朝焼けのキナールカイラスを見ようと早起きしたがあいにく逆光で赤く染まる山は見られなかった。しかし薄紫色の雲の中に6473mのジョルカンダン、5900mのラルダンのほかシバリンガの塔状の岩をはっきり見ることができた。

 
キナールカイラスとジョルカルダン(拡大)          シバリンガ(拡大)

 ホテルの前で出発を待っていると山に遮られた日光がシバリンガから光を発しているように見えた。


シバリンガ

 6時35分出発、昨日来た道を戻り25分ほどで昼食をとったレコンピオを通過する。さらに20分ほど走ると道端に水量の多い滝が流れていたので車を止めて写真を撮る。この後急な崖の続く道を進む。

 

 

 遠くに高い山が見えてきた。6000m級の山のようだが無名だという。このあたりはインドヒマラヤの間を通る道なので6000m級の山はごろごろしている。


無名の高山

 8時10分モラレ村に前に出た。この村にはチベット仏教寺院のはか古い見張り塔が2つ建っている。モラレ村を過ぎたところにチェックポストがありパスポートの検査があった。

 
モラレ村のゴンパ         見張り塔

 道には所々落石があり、石をどかすまでしばらくストップしなければならないことがあった。


落石を除くドライバー

 9時50分プー村に到着した。標高は2770mだがかなり暑い。ここからのキナールカイラスは全然違う形に見える。 

 
プー村              キナールカイラス

 プー村のゴンパを訪ねる。このゴンパはドゥクパカギュー派に属し、11世紀初めに大翻訳者リンチェンサンボが建てた108の寺の1つである。尼僧が1人いるだけだが、3月と10月には20人の僧が集まって儀式をするという。入り口のドアーには天込んだ彫刻が施されており、入り口のそばの棚の上には古い仏像が並べられていた。

 
ゴンパの入り口(拡大)           入り口のそばに置かれた古い仏像

 尼僧が5km先にある畑に出かけていたので鍵の管理人を20分ほどしてようやく見つけて中にはいる。正面には釈迦と2大弟子が祀られ左には観音菩薩、右には緑ターラー菩薩が祀られている。左側の壁にはパドマサンババと普賢菩薩の壁画が、右側の壁には80人のシッダ(成就者:ヨガの苦行で超能力を獲得した在家の信者)が描かれている。また釈迦像の背後には護法尊の像が並んでいる。この寺のお堂には前室がなく通常前室の壁に描かれる四天王や六道輪廻図は入り口側の壁の裏側に描かれている。ドアーが見事だったので古い仏像を見られるかと思ったが、どれも新しいものばかりで、そのうえ壁画が壁に描かれたものでなく布に描いて貼り付けれたもので、期待はずれであった。

 11時に出発し1時間ほどサワラジ川沿いに走るとスピティ川とサワレジ川の合流点に出た。この後はスピティ川に沿った凸凹道を走ることになり荒涼とした岩山の間を進む。このあたりの風景はラダックに似ているが、周囲の山や谷はラダックより一まわりスケールが大きい。


合流点

 ほとんど木の生えていない斜面に緑豊かな一廓があった。植林されたこととはいえ木が育っていることは昔は斜面全体が緑に覆われていた可能性を示している。 


植林された斜面

 13時にナコに到着、村の遠景の写真をとった後、村のはずれにある聖なる湖のほとりで弁当を食べる。中身はいつもと同じでサンドイッチ、ジャガイモ、ゆで卵、ご飯、それに小さなリンゴとジュースであった。

 
ナコ村遠景

 食後ナコ・ゴンパを訪れる。このゴンパは11世紀にリンチェンサンボによって建てられ今はカギュー派に属している。40人の僧がいるが、大きな寺に勉強に出ており小数の僧が寺を守っている。いつもはお堂内部の写真を撮らせてもらえるが、今日はあいにく僧が不在で、管理の村人に撮影の許可を繰り返し依頼したが私には許可する権限がないと断られてしまった。 


ナコ・ゴンパ

 まず西堂に入ると正面には大日如来が祀られ、その左側には阿弥陀如来とアシュク如来が、右側には宝生如来と不空成就如来が祀られていた。また、左側の壁には金剛界マンダラが、右側の壁には大日如来のマンダラが描かれていた。大日如来の前にはダライラマの法座が置かれていた。1996年にダライラマはここを訪れている。

 お堂はもう1つターラ堂あり、こちらは拝み倒して写真を撮らせてもらった。中央にはターラ菩薩が祀られ、左右の壁には4体の過去世の仏陀の像が祀られていた。 


ターラー菩薩

 14時35分にナコを出発、30分ほど走ると道路の崩壊地点に来た。旅行社は重要な軍事道路だから我々が行く頃には復旧しているでしょうと言っていたが、土石流によって道路は完全に埋まっていて簡単には開通しそうにない。


崩壊地点

 崩壊地点から500mほど手前にリフトが設置され生活物質などが輸送されていた。ここで我々は乗ってきた5台の車と別れ、荷物をリフトで送ったのち、リフトの脇から谷底まで下りて川を越してから坂を登ってリフトの終点で待っている別の車に乗り換えることになった。ちょっと見ると20分もあれば行けそうだが、足場がひどく悪く車に乗るまでに1時間20分もかかってしまった。

 
迂回路               リフト

 17時20分発、20分ほど走ったところのチャンゴという村のレストランで休憩をする。この間ガイドが今日泊まるホテルに電話をかけに行ったが電話機がなかなか見つからなかったとみえ1時間近くも待たされる。出発後30分ほどするとスムドのチェックポストがあり、検査を受ける。このあたりはチベットに非常に近いので検査が厳重なのだ。15分ほどで出発、もう道は暗くヘッドライトに照らされる路肩の石を頼りに走る。その外は200mくらいの急な崖なのだから乗っているだけで疲れる。

 20時10分ようやくタボのバンザラリトリートに到着、添乗員がチェックインしている間に夕食をとる。客室に行くと床には目の大きなござが敷かれていて裸足で歩けるし、畳表を取り替えたときのよう香りが部屋に漂っていてなかなか気持ちよかった。

 
バンザラリトレート           客室

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