ボルネオ旅行記

4月26日 タギナブールからクダットへ

 6時ころ外に出ると晴れ上がった青空の下にキナバル山が横たわっていた。昨日とは逆側の方向になるので山容がまったく異なる。


キナバル山         頂上付近

 村の人がゴムの採取場に連れて行ってくれた。つり橋を渡りジャングルの中を15分ほど歩くとゴムの木についた。

 
つり橋            ジャングルの中の道

 ゴムの木は観葉植物のゴムの木とは異なり薄くて艶のない葉をしている。幹の皮を刃物で削るとすぐに乳白色の樹液が滲み出した。樹液は幹についている傷の部分から出ると思っていたが削ったばかりの皮の上部から出ている。皮を全部削ると木が枯れてしまうので半分だけ削っている。

 
ゴムの木の葉             木の皮を削る

 この樹液を缶に集め、固まらすとラテックスになる。

 
ゴムの樹液              ラテックス

 民宿に戻って朝食を食べ8時に出発、道の右手にキナバル山を見ながら走る。写真をとるために車を下りると黄色い花に日本のクマバチより2回りくらい大きな黒いクマバチが飛んできた。ボルネオには巨大な虫が多い。

 
キナバル山          クマバチ

 油ヤシの林が続く中を走る。油ヤシの油はビタミンEが多く含まれていて老化防止の効果があるので人気があり、今ではゴムに代わってマレーシアの重要な輸出品になっている。採った実は24時間以内に工場に持っていかなければならないので、工場の周囲の山の木はすべて伐採されてしまい、また雑草を除去するため除草剤を撒くので環境破壊が深刻な問題になっている。

 
油ヤシ            実

 10時35分モンピリース村に到着した。この村にはルングス族のロングハウスがある。かってルングス族は皆ロングハウスに住んでいたが最近は自由な生活を求めて独立した家に住むようになりロングハウスに住む人は少なくなっている。


ロングハウス

 ロングハウスに近づくと日本人が物珍しいのか子供たちが窓に群がって見ている。


子供たち

 中に入ると中央に長い廊下があり片側に寝室、反対側に作業場が並んでいる。

 
内部               寝室内部

 作業場の端では女の人が機織りをしたり籠を作っていた。これらのものを観光客に売って現金収入を得るのだ。

  
機織り              籠作り           籠

 11時15分クダット郊外のロングハウスに到着、今日はここに泊まるのだ。このロングハウスは伝統的なロングハウスを復元したもので屋根も影もヤシの葉で造られている。床は竹で風通しを良くしている。

  
ロングハウス            内部                客室

 ロングハウスの前の小屋で昼食をとる。メニューはスイカ、それにヤシのジュースであった。


昼食

 昼食後「ティップ・オブ・ボルネオ」に出かける。ここはボルネオ島最北端の岬で、新しい観光地として売り出そうと遊歩道、展望台、トイレ、駐車場など大掛かりな工事が行われている。


遊歩道

 最北端部に展望台と記念碑を造っていた。今ここを訪れる人は少ないが、眺めが良くボルネオ島最北端ということもあって今後大勢の観光客が訪れるようになるだろう。

 
展望台からの眺め

 展望台から崖を下ったところが真の最北端になるので最北端に立とうと崖を下ったが適当な足場があり比較的楽に下れた。

 
最北端部           最北端からの眺め

 ティップ・オブ・ボルネオの手前には遠浅で真っ白な砂浜がある。だれも泳いでいないが、海水浴の好きな人だったらいつまでも居たくなるだろう。


ビーチ

 砂浜のそばで珊瑚や貝を売っていたが観光客がほとんど来ないので店の人は暇そうだ。近くでは子供が大きなボールを紐でぶら下げてブランコ遊びをしていた。実に楽しそうでテレビゲームに熱中している子供たちより幸せそうだった。

 
ビーチ             ブランコ遊びの子供 

 これまで見た民家はトタン屋根で板塀の家ばかりだったが、ここで初めてヤシの葉で葺いた屋根と壁の伝統的な高床式の家が見られた。こういう伝統的な家がもっと増えて欲しいものだ。


民家

 この後クダット市を観光する。クダット市は1881年から第2次大戦までサバ州の州都で現在の人口は16万人というが、これといって見るものはない。華僑が多いのか福徳楼という寺と福建会館が目立つ程度だ。市場に行ってみたが暑いせいか人出は少なかった。

 
福徳楼            市場

 ロングハウスに戻り夕食をとった後民族舞踊を見物する。


夕食

 初めは子供たちのバンブーダンスだ。栄養状態が良くなったせいか子供たちは脚が長く親とは全然違う体形をしている。


バンブーダンス

 この後鼻笛の演奏が行われた。鼻笛はミャンマーの奥地で聞いたことがあるが、どちらも男女の求愛に行われていた。若い人たちは鼻笛を吹かないのでどちらも遠からず吹ける人はいなくなってしまうだろう。


鼻笛

 次いでルングス族の民族舞踊が踊られた。暑いせいかこの踊りもゆるやかな踊りであった。

 
ルングス族の民族舞踊

 伴奏はゴ銅鑼で行われた。ボルネオでは民族に関係なく銅鑼が用いられている。


銅鑼の演奏

 天井からグルグルグル カーンカーンという大きな鳴き声が聞こえてきた。音の方向を見ると屋根の下に30cm以上もある大ヤモリがへばりついていた。トカゲに似ているが足の指が人の手のような形をしているのでヤモリとわかる。ヤモリもこれだけ大きいと怖い感じがする。


大ヤモリ

 22時になったので寝ようとしたが気温がまだ29度もありそのうえ蒸し暑くて寝付けない。蚊帳を出て竹の床に横になるといくらか涼しくなるが蚊が多くて羽音が気になる。そのうち大雨が降ってきてようやく涼しくなり眠ることができた。


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