ボルネオ旅行記

4月25日 クンダサンからタギナンブールへ

 5時少し前にお祈りを促すアザーンの声がスピーカーから流れてきた。窓の外を見ると残念ながらキナバル山は厚い雲に覆われている。しばらく様子を見てると雲がだんだん上のほうまで消えてきて手前の山の中腹の民家の灯や低い星が見えてきた。もう少し待てばキナバル山も見えるかと期待したがまた雲が下がってきて見えずじまいだった。

 朝食前に外に出てまた虫を探す。守衛室に行くと扉を開け放しにしているため壁一面に蛾がとまっている。中学生だったころ伊豆や箱根に行くと宿の蛍光灯の周りにたくさんの蛾がとまっていたことを思い出す。


壁の蛾

 あちこちの灯の下を調べるとオスのカブトムシやクワガタムシも見つかった。しかし、写真を撮って一回りしてくると1匹もいなくなっていた。「とってよいのは写真だけ」と注意書きが書かれているが後から来た2人連れの日本人が持っていってしまったのだろう。写真を撮ったらすぐ林の中に逃がすべきだった。

  
カブトムシ                カブトムシ            クワガタムシ

 ナナフシもいた。子供の頃家の近くの山で見たことがあるが今ではまったくいなくなってしまった。


ナナフシ

 ホテルの構内につり橋があり簡単なハイキングができる。ポーリン温泉のキャノピーウォークができなかったので代わりに歩いてみたがすぐ行き止まりになってしまった。


つり橋

 9時にホテルを出発、山を下ると野菜や果物の市場があった。店の人たちは頭巾で頭を隠しているので写真を撮ると嫌がるかと思ったが逆に喜ばれた。

 
市場

 このあとコタ・ブルッドへ向かう。この町では毎週日曜日にサバ州最大と言われるタムー(青空市場))が開かれる。途中で雲が切れてキナバル山が見えたので車を停めて写真を撮る。山頂付近にはでこぼこした岩が見える。キナバル山は普通2泊3日で登るが、登山レースでは3時間で登って降りてしまうというから驚きだ。

 
キナバル山(拡大)             山頂付近の岩

 10時コタ・ブルッドに到着、早速タムーを訪れる。ここにはバジャウ族、カダザン族、ドゥスン族、イラヌン族の人たちが集るが民族衣装を着ていないので見分けがつかない。民族衣装が溢れているベトナム北部の市場と比べると物足りない感じだ。

 
青空市の人たち

 刀、背負い籠、食べ物にかぶせる蓋など伝統的な工芸品のほか、野菜や果物、魚、日用品、衣類や観光客向けのおみやげ物などが並んでいたが、肉の売り場はなかった。イスラム教徒は教義に従った方法で屠殺した動物の肉しか食べないからだろう。

  
刀              背負い籠            覆い

 このあと町の食堂で早めの昼食をとり12時10分にコタ・ブルッドを出発、15分ほど走ると道端の家で結婚式をしていたので見に行く。門をくぐると高い棒の先に紙で作った飾りが吊り下げられていて、その下で若者たちが竹を編んで作ったボールを蹴り上げていた。ボールが飾りに当たると商品をもらえるのだがなかなか当たらない。奥で大勢の人が食事をしていた。イスラム教徒の結婚式なので男と女は別の籍になっている。

  
ボール蹴り                男の席                  女の席

 花嫁さんが座っていたが花嫁衣装といっても質素なものだった。


花嫁さん

 さらに10分ほど走ってタギナンブール村に到着、タリサさんの家にホームステイする。これまで見た家は質素な家ばかりだったがタリサさんの家は200平方メートルくらいある洋風の立派な家だ。


民宿とタリサさん 

 午後は自由行動になっていたが周りに特に見るものがなく、それに非常にむし暑いのでベッドで横になって休んでいると突然強い雨が降ってきて雷まで鳴りだした。ちょうど日本の夕立のようだ。ただ、夕立のようにすぐには止まず2時間ほどしてようやく小降りになった。タリサさんからオヤツを食べないかと誘われた。菓子はドゥスン族の人たちが食べている菓子でトウモロコシの粉を練って砂糖で味付けしバナナの葉で包んだものと、米の粉を砂糖とオレンジの汁で味付けしたものだった。


オヤツ

 夕食は郷土料理をいただく。料理はニンニク、生姜、玉ねぎで味付けした鮫の生肉、パイナップルと一緒に煮た川魚、ジャパニーズキューカンバーと言われる日本にはない野菜の菜の炒め物であった。ボルネオにも刺身を食べる習慣があることは初耳だった。川魚はサダーという魚で身がしまっていて美味しかった。煮たパイナップルはすっぱい味だった。


郷土料理

 夕食後村の人たちがドゥスン族の民族舞踊を見せてくれた。銅鑼の音に合わせてゆっくり踊るのだが踊り手も銅鑼の敲き手も高齢者ばかりだ。銅鑼は6つの銅鑼を別々のリズムで叩くのだが全体で調和のとれた心休まる響きであった。

 
銅鑼の演奏          民族舞踊

 踊りを見に来ていた若い人たちが踊りに加わり、おばあさんに合わせて踊ったり銅鑼を叩き出した。まるで盆踊りをしているようだ。このようにして自然と伝統が受け継がれていくのだろう。民宿の居間には大勢の子供が集まってテレビの漫画を見ている。昔の日本を思い出す。

 
踊る若い人たち           テレビに集まった子供たち

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